【私達の考える外断熱工法と充填断熱工法】
在来工法による真壁造は、構造駆体である木材を室内に表すことで、木の温もりを自然と醸し
出し、それは『構造の状態がいつでも見ることが出来る』という安心感をも住む人に与えてくれ
ています。
外張り断熱工法(外断熱工法)と基礎断熱の組み合わせであれば、屋根から基礎までをスッポ
リと断熱するため、小屋裏や床下も室内同様の温熱環境に取り込みます。
これにより小屋裏の有効利用や吹き抜け等の自由な開放的なデザインを可能にします。
冷暖房機器をより効率よく(省エネルギー)使うためには、より性能の高い断熱材が必要です。
また私たちは、外張り断熱用の断熱ボードを、合板等に断熱材を吹き付けした一体型のパネル
と違い、建物の解体時には「分別して処分できる」という考え方と、高価な断熱材に必要以上
の運搬費や工場での余計なエネルギーをかけないためにも、外貼り断熱工法であれば『現場
で貼る』という作業が適切ではないかとも考えます。
一体化されたパネルの断熱材と合板を分離させる作業はとても困難で、解体時の現場での分
別作業はまず不可能になるでしょう。
建物はどんなに長命化をしても、いずれは大量のゴミになるのです。我々はその時の、後世へ
負担も考慮する必要があると考えます。
断熱方法と材料については、外断熱工法では比較的高価なウレタン系の断熱ボードが施工的
にも評価は高いようですが、しっかりとした技術とノウハウがあれば、スチレン系の断熱ボード
でも少し厚みを増やすことで十分対応はできますし、充填断熱であっても同じく、優れた性能を
有する建物を建てる事は可能です。
建てる側と、住まう側がいかに同じ意識の上で建物を造るかで、どうにでも出来る事なのです。
私達はたまたまスウェーデンという国が好きで、その国の人達との交流から枠組み壁工法(ツ
ーバイフォー工法)も施工していますので、充填断熱工法の施工もしますし、外断熱工法の住
宅も建てています。
住宅造りに、今必要なのは外だとか内だとかの論議ではなく、いかにユーザーの求めるデザイ
ンをプロとして提供できるか?だと考えています。
●在来工法による真壁の室内デザイン → 外断熱工法(外張り断熱工法)
●洋風デザインの大壁の室内デザイン → 充填断熱工法(内断熱工法)
私たちは、室内のデザインで工法を選択していると言っても過言では有りません。
在来工法の真壁の家に住みたいというユーザーに、洋風の枠組壁工法(ツーバイフォー工法)
の家での暮らしを押し付けても仕方有りません。
「どんな家をつくりたい?」 より 「どんな家で暮らしたい?」
工法ではなく、要はこなせる技術力があるかどうかです。
しっかりとした知識と経験で、いかに無駄なコストをかけずに長命住宅を提供できるかだと考え
ています。
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