上の図で見るように、日本では現在汚染された排水の処理は汲み取り方式、下水処理方式、単独処理浄化槽、合併処理浄化槽の4つの処理方法に分かれます。
今日では、地方自治体の補助金制度により合併処理浄化槽を使うことを義務付けする動きもあります。
上の図で見ても解るとおり、浄化される数値では群を引いています。
しかし、工事代金や本体費が単独処理浄化槽に比べて数倍高くなってしまうのでユーザーとしては下水管の完備されている場所を選びたくなってしまいます。
下水道の普及率は、日本でも首都圏においてはイギリスやドイツの負けないくらいの数字(94〜98%)を示しているのですが、全国平均では50%台です。
建設費も高く、工事期間も長く最終の処理水質が悪い等の面を考えれば、合併式浄化槽への補助金を増やし、普及率を高める動きに移行しても良いのではと感じるのは私だけでしょうか。
現在薬品の力を用いて機械的にろ過する「急速ろ過法」が採用されていますが非常に高速でろ過はされるのですが、浄化処理の過程で大量の"塩素"が必要とされています。
これにより発癌性物質であるトリハロメタンが発生して人間の健康を脅かしています。
薬品を使わずに自然の浄化力を利用して浄化する緩速ろ過法では、大量に水道水を供給する必要がある場合には対応できないのが現実のようです。
私達は、少しでもきれいな水を河川に戻さなければならないのです。
近年盛んに叫ばれるようになった雨水貯留は、屋根などに降った雨水を配管で貯留層に集め、これをポンプでくみ上げてトイレや庭の散水に利用する設備で、東京ドームや両国国技館では1000m3ほどの貯留数を持つものもあります。
水不足や省エネへの対応、そして集中豪雨のときなどに雨水が地下に浸透せずに下水道に集中して水が逆流するといった都市型洪水の防止にも役立っています。
また、都心ではヒートアイランド現象を抑制するために雨水を地下に浸透させる施設が多くなってきているのも見逃せません。
このように、私達にとって水はただの飲料水というだけでなく、私達を取り巻く環境に非常に大切な物なのです。
浄化槽や雨水利用も今まで以上にもう一歩踏み込んで考えてみる価値はあると思います。
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