■形状による分類
配管が後付けの円筒形電気温水器のほかに、設置スペースが狭い場合にも対応可能で、見た目
もスッキリした配管内蔵の角形もあります。
そのほか、タンク容量によっても各種があります。
2001年には、自然冷媒を利用したヒートポンプ給湯器も登場しています。
■電気温水器の選定ポイント
電気温水器採用検討の際の一般的な不安は水圧の弱さや湯切れ、設置スペースの確保といえる
でしょう。
電気料金も当然心配でしょう。
しかし今では、灯油やガス給湯器に劣らない機能があるだけでなく、イニシヤルコストもほぼ変わら
なくなってきています。
ランニングコストはガスよりも安く、灯油ともほぼ差はないといわれています。
シンプルな給湯専用型であれば停電時でも水道が通じていれば不便なく使用可能になります。
貯湯量の目安は家族1人当たり約100gと見て、300〜500gとするのが一般的です。
家族数は変化するので、建築時の家族数だけでは簡単に決定はできません。
ギリギリの設定量にして貯湯量不足時に備え追焚き機能付きなどを選定するか、たっぷりの湯量で
特別な機能が付いていないシンプルなものを選定するかがポイントになります。
我家の場合は4人家族で470gのものを取り入れましたが、日常残湯量が150gより下がる事は
ありません。
80℃からのお湯を実際に使うときは40℃前後で水と混合して使うので意外とお湯だけが減る事は
ありません。
機能が付いていればいるほど複雑な構造となり故障やクレームが多くなります。
しかも高価な割に耐久性にも不安が残ってしまいます。
■設置の際の注意点
電気温水器設置の際は、以下の点に注意しなければなりません。
配管からの放熱
電気温水器の湯量不足の原因の1つに、本体や配管からの放熱があります。
設置場所が屋外の場合は、特に配慮したほうがよいでしょう。
電気温水器と給湯栓との距離が短いはど、短い待ち時間で温水は出ます。
追焚きなどの循環する配管は浴室の近くに設置すべきですが、使用頻度の多いキッチンとの距離
のバランスを考慮したいものです。
私達が建てる全館暖房住宅では、暖房空間に本体を設置して放熱を少なくし、逃げた熟も暖房
に貢献させています・・・(廃熱利用)
設置位置
スペースの確保暖房空間への設置には、半畳ほどの設置スペースが必要なため、階段の踊り場下
や納戸の隅など、設置場所の工夫や選択に苦労もさせられます。
温水器からの廃熱を利用して、洗濯乾燥室に利用できるような設置が有効です。
目立つ場所であれば角形のものがスマートですが、視線が気にならない場所であれば、割安な円
筒形を設置するのもいいでしょう。
尚、電気温水器は2階にも設置可能です。
水圧に不安があり、逆転プランなど2階に水廻りが集中する場合は、2階に設置することで加圧ポン
プや高圧力型を使用せずに十分な水圧が確保できるようになります。
私のところでは基礎断熱で床下を利用した物置空間に設置していますので、スキー板の乾燥や直
上階の床暖房、そして凍結防止帯の不要と活躍しています。
以前、宮城県直下型地震の際、重心の高い電気温水器が転倒したり、ずれてしまったために配管
が外れてしまう事故が多く発生しました。
温水器は自重が重いため油断して固定していなかったり、下部だけ固定し上部を固定していなかっ
たり、といった固定方法の不備も原因であったようです。
しかし、転倒やズレの防止には、固定方法の徹底だけでなく、床下設置タイプの普及や、もっと重心
の低いタイプの開発などもメーカーとしては必要になるでしょう。
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