■エコロジー(Ecology)
●「生態学」(生物が住む場所の)
ドイツの生物学者E・ヘッケルが1886年に唱えたものである。
語源はギリシャ語の「オイコス」(生物の生活や、家を示す)と云われている。
当初は生物相互の関係、生物とそれが生息する環境を扱う学問分野であり、
人間はその対象に含まれていなかった。
●その後1892年にホームエコノミクスの母と言われるエレン・スワローが
人間と環境との関係ーーー水・土壌・空気植物・動物そして人間との活動との間の
有機的な関係を改めて「エコロジー」と名付けた。
ある意味ではこれが今日のエコロジー運動の先駆けと言える。
エレン・スワローは今日の生活科学・居住関係の改善運動や消費者保護運動の
基礎を築いた女性化学者である。
日本がやっと鎖国を解いた明治時代に、世界では既に「環境」を考える人達が活動を
始めていたのである。
■ビオトープ(bio topos)
●ドイツ語で生物を意味するbio(生命)と、場所示すtopos(場所)の合成語。
安定した生活環境を持った「動植物の生息空間・生物の生息に適した場所」を示す。
E・ヘッケルが提唱した言葉である限られた地域に、元来そこにあった自然風景を
復元することを指す。
■生態系(ecosystem)
野生生物と土壌・水・大気・太陽光の5つの要素が、有機的な関係を保つことにより
構成された、自然のシステムをいう。
■生態系ピラミッド(ecosystem pyramid)
生態系を構成する5要素のうち、土壌と多様な生き物の集合体が作る食物連鎖を
生態系ピラミッドという。
■食物連鎖(food chain)
1.緑色植物は土壌から養分と水を、そして大気からCO2を吸収しながら太陽を
エネルギー源として光合成を行う。
また、多くの生物の営みに必要な炭水化物・蛋白質・脂肪などの有機物を作り出してい
る。
2.分解者(土中の微生物・小動物)により生じた無機物は植物(生産者)によって栄養素
として吸収される。 そしてそれは再び光合成で有機物に変えらる。
3.これを消費者(生産者を食べる昆虫などの小動物や、小動物を食べる動物)が食べる。
この様に植物エネルギーは植物を源とし、捕食・被食を繰り返しながら一連の生物群を
通って移行する。これを食物連鎖という。 ・・・まさに循環の原点である。
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