ひとくちに 「オール電化住宅をつくった」 からと言って
「省エネ住宅になった」 とは言えません!
10数年程前から私達は全館暖房住宅を手掛けています。
今でいう高断熱高気密住宅であり、北欧に技術の原点を学んだ物です。
住宅を電化にしてきた理由は、単に電力会社の都合ではなく、高性能住宅での室内環境を改善させるためのものです。
特にガス事故の心配のない電気調理器はガス調理器から切り替えてきています。
ドイツの共同住宅ではガス事故防止のためにガス調理器使用は禁止と知らされた事もありました。
また全館暖房住宅の場合、できるだけ熱損失を少なくするため換気量はコントロールされています。
そのような環境下にある室内では灯油やガスによる空気の汚染は致命傷なため、その当時北欧でもほとんどの住宅で電気調理器を使用していました。
電気温水器について考えさせられたのは、東北のビルダーの所へ行った際見かけたのがきっかけで、FF式灯油給湯器を洗面所などの室内に設置するという事実から深く考えさせられました。
給湯器を屋外に設置すると、凍結や積雪の影響があるという理由からでしたが、自分はその当時関東に住んでいたので、東北の人たちはこうやって全ての熱を利用して、廃熱利用しているのかと感心したものでした。
エネルギーを有効に利用するという面では確かに効果的ですが問題が無いわけでもありませんでした。
そこにはひとつに音の問題があったようです。
またもう一つの懸念は炊事とは違って家の中の見ていない場所で火が燃えているという不安もあった様ですた。
全館暖房住宅は気密性や断熱材の効果で外からの騒音は聞こえにくいのですが、逆に室内が静かすぎて今まで聞こえなかった騒音が気になってしまい、そのため、着火時や燃焼時の騒音や振動が生活者にとってとても気になる場合もあるのです。
その点、電気温水器は燃焼がないため音がなく、振動もありません。
オーバーフロー時の流水か、給水音だけでとても静かなのです。
どちらにしても電化住宅への取り組みは省エネ対策としてだけではなく、あくまでも安全面と室内環境改善が目的であったのです。
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